川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

73光年の妖怪


これは一時期絶版だったけれど、今は新訳で再刊されているのかな?
フレドリック・ブラウンの地味な傑作です
映画にもなった漫画「寄生獣」はあれは地球が生み出したものでしたが、宇宙から来た未知なる生物が人間をのっとるという構図は、映画「ヒドゥン」に近いかもしれません
ただし「遊星からの物体X」のように無限に増殖するというたちの悪さはなく(ウルトラマンティガ「襲われたGUTS基地」に登場する人工生命体ビザーモもこのタイプ)あくまで個体なので、その知性体と呼ばれる宇宙生物との知恵比べがストーリーの根源となっています


フレデリック・ブラウンと言うと二大傑作「発狂した宇宙」「火星人ゴーホーム」があり、この二作を超える名作は正直なかなかないですが、SFでもミステリーでもそれなりの水準の作品を多く残しているので、翻訳出版されているものはどれを読んでもそれなりに楽しめるものばかりです
未読の方は非常にわかりやすい本作から入ると、ブラウンの魅力にどっぷりとつかれるかもしれません
ちなみに先ほど上げた二大傑作ですが、作家の筒井康隆氏によると、スラップスティックを好む人は「発狂した宇宙」をブラックユーモアを好む人は「火星人ゴーホーム」をそれぞれ好む傾向があるそうです

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