霊長類南へ
私が筒井康隆氏の長編小説を初めて読んだのが「48億の妄想」
これはカメラ社会のマスコミ風刺の小説でしたが、素晴らしい出来で今なら映画に出来るのではないかとさえ思っています
次に読んだのが「俗物図鑑」これはもう何と言っていいか、完全に筒井ワールドを確立した作品として仕上がっています
そして3番目に読んだのがこの作品
所謂人類破滅テーマもの、突然起こった最終戦争により、人類は爆弾の到達しない南へ南へと目指します
この小説で暴徒と化した少年グループを主人公が処刑するシーンが私には強く印象的でした
社会の為にならないから生かしてはおけないという主人公に対し、少年の一人は社会なんてもう存在しないと返答します。すると主人公は
いや、あるんだ。人間が二人以上生きていればそこにはまだ社会ってものがあるんだ。ところがお前らは人間じゃない。野獣だ。野放しにしてはおけない。お前らを始末するのは社会人としての義務だ
けだし名言です
見だされた秩序の中で人はいかに人としてありうるか大切なことだと思います
そして南極で一人残された人間
しかし最後に言葉を残そうにも、頭に浮かぶのは過去の偉人の有名な言葉ばかりw
結局最後に残した言葉とは?
この文庫は絶版かも知れませんが、何らかの形で今も読めると思います
是非ともご一読を