川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

74日本SFベスト集成


今から41年前に発表されたSF作品のアンソロジー
筒井氏がこのスタイルでまとめたのは他に3冊ありますが、特にこの74年版は傑作が揃っています
自身の「佇む人」や半村良氏の「フィックス」豊田有恒氏の「渋滞」は今読んでも面白い
眉村卓氏「屋上」と星新一氏「有名」は他にもう少し傑作があったのではとw
小松左京氏「夜が明けたら」さらには2作収録されている漫画のうち、諸星大二郎氏の「生物都市」は大傑作と言っていいでしょう
そんな中、私が特にお勧めしたいのが二作あり、一つは田中光二氏の「スフィンクスを殺せ」いわゆる終末テーマですが、残るもの残されるものの定義のようなものが心にしみて、山田正紀氏の名作短編「燻製の中の弾丸(ハムの中の鉄)」のような余韻があります
もう一つは河野典生氏の「トリケラトプス」これは「街の博物誌」という連作短篇集の一部なのですが、まるでヘミングウェイの「老人と海」が醸し出すような虚しさを見事に描いています
私だけかもしれませんが年を経ていくと短編小説を読むのがどうにも苦手になってしまってw
ただ、久しぶりにこの本を引っ張りだし読み返していたら、自然とつらつらと読めました
ただ、かんべむさし氏の「決戦・日本シリーズ」はさすがに、ねwww

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