卵をめぐる祖父の戦争
これはジャンルを何にすべきか悩みました
実際、ハヤカワのポケットミステリで一番最初に出版されたのに、文庫ではミステリーではなくノベライズに分類されているしね
一応サスペンスに分類しましたが、まあ、広い意味でのサスペンスと思っていただければ、それでいいかと思います
もう、とにかく設定が面白い!
ナチスが包囲していたレニングラード、そこで主人公は軍の大佐の娘の結婚式のために卵1ダースを調達してくるように命令されます
戦時下で物がない中、12個の卵をどうやって見つけるのか
この小説は随所にユーモアを取り入れながらも、戦争の悲惨さ、苦しさを伝える構図になっていてそこが本当に上手い
そして見つけ出さねばならぬものが卵と言うのも面白い
今の日本ならスーパー行けば山積みになっている卵が、戦時下ではこうも貴重なものとなるとは
考えさせられますね
これは映画化しても面白く作れそうで、舞台を第二次世界大戦下の日本に置き換えても面白く作れるかもしれませんね