川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
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サイコ


中高年の方だと「サイコ」といえば、アルフレッド・ヒッチコック監督、アンソニー・パーキンス主演の映画を思い浮かべることでしょう
でも、このロバート・ブロックの原作は手に取ったことがないはずです
ブロックは以前「激突!」のときに書いたリチャード・マシスンと並ぶ、ホラージャンルの名手です
しかし、どちらかというと短編のイメージが強い
更には、スピルバーグ監督らの手によって映画化された「トワイライトゾーン」など、映画のノベライズも手掛けていたので、本作も映画後に小説化されたようなイメージがありますが、それは違います
この小説で、女がシャワールームで殺される場面を読んで、ヒッチコックは映画でいけると思ったそうです
それだけ、当時は斬新でショッキングな小説だったのでしょう
映像で見る以上に原作はしびれるように恐怖が伝わってきます
そして、映画は映画で、この小説に書かれた最後の場面を見事に映像化されていて、さすがヒッチコックとうならせてくれます
この後、「サイコⅡ」をブロックが書き、アンソニー・パーキンスが監督するのですが、これは残念ながら映画は見たことがありますが、小説では読んでおりません
本書の解説で仁賀克雄氏が、この続編のことを「地獄にいるヒッチコックはどんな顔をしているだろうか?」と結んでおります
氏曰く、「ヒッチコックは極楽みたいな退屈な場所にいるじい様ではない」とかw
ごもっともでございますw

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