川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

書籍のブログ記事

書籍(ムラゴンブログ全体)
  • カラシニコフ

    つい最近アメリカのコルト社が破綻しました コルトと言えば、コルトガバメント、そう銃の製造会社です 最近では軍でもコルトの銃を使わなくなったそうで、老舗としての看板を守ることが出来なかったようです さて、ここで世界で一番世の中に出回っている銃とはなにか? カラシニコフAK47 そしてこの銃を開発、製... 続きをみる

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  • 給食ファクトリー

    給食にまつわるミステリーなんて少ないので読んでみたらなかなか興味深い内容でした 給食廃止論者なんて人がいるのですね 大阪だと給食を開始したが、冷たいだの少ないだのと不評なようで もとより学校で作ることをしないのだから仕方ないですね もう少し下準備をしっかりとして取り組めばよかっだろうに まあ、思い... 続きをみる

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  • 神無き月十番目の夜

    怖い時代小説です 江戸初期、常陸の山里、小生瀬のとある村 この村に住む300余りの住民が老いも若いも女子供すべてひっくるめて 虐殺されます しかも実際にあったことだというのです 読んだあと、慌てて調べましたよ しかし、そこは黒歴史 こういうことだったのではないか、との仮説はあっても本当のところはわ... 続きをみる

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  • 白昼の死角

    高木彬光氏の最高傑作と言っていいでしょう 天才的詐欺師の鶴岡七郎の記録 序盤に出てくる、鶴岡が一目置いていた男、隅田光一にはモデルがあり、犯罪も実際にあった光クラブ事件を踏襲しています ただ、それ以上に中盤以降の展開がものすごい これは角川映画で映画化され主演は夏八木勲さんでした 渋い、渋すぎる!... 続きをみる

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  • 地上最後の刑事

    この小説は設定が素晴らしい 半年後に人類が死滅するのです。小惑星の衝突によって そんな中、一人の男の死体がファストフード店のトイレで発見されます ベルトによる絞殺 しかし、そんなもの自殺だろうと済まされてしまいます だって半年後にはみんな死んじゃうんですよ 警察もほとんどあってないようなものです ... 続きをみる

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  • 奇妙な新聞記事

    2002年に刊行されたなんともおかしな作品 いわゆる新聞の「見出し」がそれぞれ短編小説のタイトルとなっています 列挙しますと 「タイタニック号乗客、ウォーターベッドの下から語る」 「夫の不倫を目撃した義眼」 「エルヴィスの刺青をつけて生まれた少年」 「クッキー・コンテスト会場で自分に火をかけた女」... 続きをみる

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  • 海燕ホテル・ブルー

    直木賞作家船戸与一氏も鬼籍に入られてしまいました 壮大なスケールで、世界各地の物語を書かれた作家でした そう考えると、この作品はいささか地味なものかもしれません 出所してきた囚人が先に出所していた囚人に会いに行きます 目的は二人で仕事をするため 仕事いっても当然まっとうな仕事ではありません、犯罪で... 続きをみる

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  • 宇宙塵版 派遣軍還る

    SFファンだと、光瀬龍さんと言えば「百億の昼と千億の夜」を思い浮かべるでしょう 小説というよりも、のちに萩尾望都さんの漫画の方がインパクトが強いのかもしれません しかし、私は圧倒的にこの作品を推します!すべてが素晴らしい! アルテア星群域戦に派遣された4000の兵団が終戦を迎え帰還します 兵士たち... 続きをみる

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  • シリウス

    1944年に発表された小説 シリウスというのはこの作品に登場する、ボーダー・コリーの血を持つ犬の名前 科学者によって人間に匹敵する知能をもたらされた犬の物語です はっきりといいますがこの手の作品、決まって悲劇が待ち受けています ただ発表された年代で考えると当時は画期的な作品だったのでしょう 事実、... 続きをみる

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  • 冬の旅

    立原正秋氏の小説も絶版が多くなり、今手軽に読める作品も少なくなってきました ただ、この小説はなんとか読み継がれているようです 初めて読んだのは小学校高学年でしょうか、写真は文庫ですが、ハードカバーを母から手渡されました、これを読めと 主人公行助は、義兄修一郎が母親を凌辱しようとしている現場に出くわ... 続きをみる

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  • 古い骨

    スケルトン探偵、ギデオン教授の第一作 白骨死体の法医科学分析という新しいシリーズを生み出した作品です 帯の これがミステリ!ってのがいいですね、まさに正統派ミステリーと言っていい作品です ミステリーは内容に触れるとネタバレにすぐなるので今回は別な角度からご紹介 このシリーズは美食シリーズでもあるの... 続きをみる

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  • ディアスポラ

    イーガンも刊行されているものはほとんど読んでます 難解だ難解だとよく言われますが、SFですからね、なんとなくわかったような気になりながら読み切ればいいのですよw 30世紀の世界、人類は肉体を捨ててコンピューターないの仮想空間でアバターとして暮らすんですってw もうこれだけでお手上げな人は手を挙げて... 続きをみる

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  • ミノタウロスの皿

    ボロッボロですね、この本 それもそうです、この本私拾いましたwww それも小学生の頃www そんな本をいまだに持っている、恐ろしいwww と、入手経路はともかくとして、これはなかなか傑作ぞろいの短編漫画集です 人類と牛の立場が逆転した世界を描いた表題作はもとより タイムトラベルものの「おやじロック... 続きをみる

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  • まんぞく まんぞく

    池波正太郎氏の晩年の小説 新聞小説ならではのいい加減さはあるが、氏の作品としてはアイディア優先的な要素がありある意味貴重かw 凌辱されかかり、家来を殺された娘が女剣士として復讐する 少女漫画にあるような流れの中でそこは池波作品、人の心の機知を巧みに描き、最後まで飽きさせない作りで仕上がっております... 続きをみる

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  • 地を這う魚

    「失踪日記」の吾妻ひでお氏がデビュー前のアシスタント時代をつづった漫画 トキワ荘物語がよくメディアでも紹介されてはいますが、こちらはB級な感覚で楽しめますw 吾妻氏以外の漫画家や編集者が動物の姿で描かれており、謎の魚が空を飛び交うなど、控えめながらも吾妻ワールドは健在 全員が北海道出身なため、ゴキ... 続きをみる

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  • 黄色い部屋の謎

    もうミステリーの古典中の古典 密室の謎、人間消失の謎、この二つがキーですね とくに人間消失のトリックは漫画「金田一少年の事件簿」の栄えある第一話で流用されています 作者のガストン・ルルー 聞いたこともないと思っている方、しかし、少なからず一作品のタイトルは聞いたことがあるはずです そう 劇団四季で... 続きをみる

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  • 戸隠伝説

    半村氏の伝奇作品は時としてものすごい切り口から襲い掛かってくることがあります この小説などまさにそう 試しに最初と最後だけを読んでみる(そんな人いないよw) すると、なぜこの始まり方から、こういう終わり方になるのか わけがわからなくなるでしょうねw そして半村さんのもう一つのすごいことは 歴史の中... 続きをみる

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  • ダーティペアの大冒険

    この作品が小説発だということを知らない人も多いのでは? 高千穂遙氏の出世作です 今で言うラノベのように思われがちですが、古典である「宇宙船ヴィーグル号の冒険」のオマージュなどがあり、立派なスぺオペとして成り立っています 表紙イラストはガンダムで大ブレイク前の安彦良和氏 中イラストもふんだんにあり楽... 続きをみる

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  • さよならダイノサウルス

    ソウヤーは外れの少ない貴重な作家です いろいろ傑作がある中でこれ、1500万年前へタイムマシンで赴き、恐竜絶滅の謎をつきとめるというもの そもそも、恐竜絶滅説はいろいろささやかれています やれ、隕石の襲来だの、氷河期だの しかし、はっきりわかってはおりません そりゃあそうだ、誰も見た人がいないのだ... 続きをみる

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  • ペンギン・ハイウェイ

    若者よ! おっさんだってモリミー読むしセカオワ聴いたりするのだ! ドラゲナイ! 第31回SF大賞受賞作 小学4年生が主人公と言うのが新味なところでしょうか うちの息子がまさにこの年です この小説のアオヤマ君も賢いけど、今の小4はこんな感じなのですかね おっぱいに興味があるのは健全でいいですがw こ... 続きをみる

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  • 料理人

    何か面白い本があったら教えて そう問いかけられたとき、必ずお薦めするのがこの一冊 とにかく、するする読め、そして面白い ジャンルは何かと問われると難しいものの、この不思議な世界観は宮崎アニメを文章にしたかのようなw これ初めて読んだとき、主役の料理人、コンラッドは故松田優作氏のイメージでした 松田... 続きをみる

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  • チャイナ橙の謎

    エラリー・クイーンも今も読み継がれているミステリー作家の一人ですね 悲劇4部作、そしてこの国名シリーズ、続々と新訳で再販されているはず この表紙イラストも真鍋博氏 中国切手をメインに据えた素晴らしいイラストです さて、中身の話 この作品は、このシリーズには珍しく密室殺人の話 そして、そのトリックは... 続きをみる

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  • ポケットにライ麦を

    クリステイは2冊目 ポワロが登場する名作は「オリエント急行の殺人」「アクロイド殺し」「ナイルに死す」などがありますが、ミス・マープルが登場するミステリーでお薦めは何か、と問われると私は真っ先にこの作品を紹介します クリスティ特有のマザーグースの調べに沿って起こる連続殺人 とにかく、意外な犯人とミス... 続きをみる

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  • 荒木村重

    戦国武将を中心に書かれた小説は数多くありますが、この人を中心に据えた作品はそうはない 荒木村重、織豊期の摂津国有岡城城主の武将です キリシタンでもあり茶の湯にも精通する文化人的なところもあったようです 一昨年前の大河ドラマを視聴された人にはこの人が行った大罪がおわかりでしょう 信長を裏切り、有岡城... 続きをみる

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  • サトリ

    昨日はディーヴァ―の007を少し辛めに書きました やはり、他人が書いたものを引き継ぐというのは難しいものです しかし、この人はさらっとやってのける その人の名はドン・ウィンズロウ 前に「ストリート・キッズ」で紹介した作家です これはトレヴェニアンという作家が書いた「シブミ」という作品の純然とした続... 続きをみる

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  • サイコ

    中高年の方だと「サイコ」といえば、アルフレッド・ヒッチコック監督、アンソニー・パーキンス主演の映画を思い浮かべることでしょう でも、このロバート・ブロックの原作は手に取ったことがないはずです ブロックは以前「激突!」のときに書いたリチャード・マシスンと並ぶ、ホラージャンルの名手です しかし、どちら... 続きをみる

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  • ツィス

    ある日突然、一定のリズムである音が聞こえる 一人の女性がそう訴えるところから物語は始まります そして、その耳障りな音が聞こえる人々が拡大し一大パニックに タイムトラベル小説の金字塔と言われる「マイナス・ゼロ」の作者の第二長編です これは割と現代でも同じようなことが起きるのじゃないかと案じさせる怖さ... 続きをみる

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  • 007白紙委任状

    イアン・フレミングが書いたジェームズ・ボンドシリーズは実は5冊ぐらいしか読んではいません 映画は見ましたが、ショーン・コネリー、ロジャー・ムーアまでで、それ以降、別な男優さんが演じたボンドはおそらく見ていません。 おそらくと言うのは見るには見たが、あまり記憶に残らなかった感じがするので なんだろう... 続きをみる

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  • 火星の人

    火星はよく小説や映画の題材で使われる星です まあ、金星はガスで出来ているし、他の星は遠いから仕方ないかw 火星の人と言っても火星人を描いた小説ではありません これは友人火星探査が行われている時代に、一人のクルーが砂嵐に巻き込まれ、仲間たちや船とはぐれてしまうというサバイバルもの なかなかよくできて... 続きをみる

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  • 閉じた本

    異色ミステリーです 事故で両眼を失った主人公 大作家である主人公は自伝を口述筆記の助手として一人の青年を雇います そこから始まるストーリーなのですが、何が異色かと言うと 会話と独白でしか、この本は語られていないのです ミステリーなので詳しく語れないのがもどかしいのですが この二人の会話の中で、緊張... 続きをみる

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  • 江戸入浴百姿

    拙著「湯船の姉弟」を書くときに資料とさせていただきました 絵も豊富で、江戸での風呂事情を楽しみながら知ることが出来ます 湯船の語源が、江戸時代本当に風呂桶を積んだ船が川べりで銭湯として商いをしていたと知ったのはテレビのクイズ番組でした。 以来、この湯船を商いとした男の物語を書いてみたいと、思い立っ... 続きをみる

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  • シリンダー世界111

    4年前に刊行されたSFミステリー シリンダー111はAIが作った宇宙ステーション そこで殺人事件が発生、主人公の女性捜査官が謎を解く と、まあ、ありきたりな設定で、読み終わった後の感想は正直「ふうん」レベルでした でもね、なんとなくあとからじわじわとくるのですよw この111には回転軸のところにア... 続きをみる

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  • 街の灯

    北村薫氏のいわゆるベッキーさん三部作の第一作 これは企画書までおこしましたが私の力不足でしょうか映像化に至りませんでした 昭和7年から始まり、11年の2月26日で終わるこの話 非常に映像化すると栄えると思うのですが プチミステリーとしても楽しめますし また、機会があればトライしてみようと思います ... 続きをみる

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  • 血のケープタウン

    南アフリカの首都、ケープタウンを舞台に展開するバイオレンスサスペンス 悪いやつらがいっぱい出てきて、暴力に次ぐ暴力で しかし、ケープタウンって本当に治安悪いですねえ まあ、これは小説だけれども、金持ちが大きなフェンスに囲まれ、厳重に戸締りされた家に住んでいる様なんかを時折テレビで見たりしますが、本... 続きをみる

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  • 緑魔の町

    筒井氏の数少ないジュブナイル小説 これがなかなか面白いのですよ だいぶ昔NHKの少年少女ドラマシリーズで放送されていたそうですが、タイトルが変更になっていたようです(確かマッドタウンだったかな?うろ覚えですみません) たまたま地下室にいて侵略から逃れた主人公の少年が、野宿をするときに新聞紙を布団代... 続きをみる

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  • 通りすぎた奴

    9作からなる短編集 しかし、何と言っても名作は表題作 超高層ビル社会、人々は何万フロアもあるビルの中で暮らし、二日がかりで職場のフロアまでエレベーターで行き来したりします。そのためフロアによっては宿泊所があったり、エレベーター弁当、略してエレ弁なるものが売られていたりします しかし、人々の生活は至... 続きをみる

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  • タイガーマスク

    いわゆる豆本です ある日突然妻からプレゼントされましたw そんなにタイガーマスクに思い入れがあったわけでもないのにw でも、良くよく考えてみたら漫画で読んだことがないのでいい機会でした 読みにくいけどwww 最初の頃は虎の穴が仕掛ける個性あふれるマスクマンとの対決 そして、タイガーの味方として登場... 続きをみる

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  • 殺意という名の家畜

    河野典生氏のデビュー作 とにかくタイトルにインパクトがあります でも、内容と一致しているかと言うとなんともw 更にミステリーの質としてもハードボイルドの質としても今読み直すといかがなものかと ただね、この人の文章、とてつもなくよいのですよ 心地よい話の運びがあるのです、内容が面白い面白くないじゃな... 続きをみる

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  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    P・K・ディックの不朽の名作 難解な作品が多いディックの中では非常にわかりやすい作品 人間に紛れた脱走アンドロイドをバウンティハンターが狩りにいく話 この作品では生物がほとんど死滅した社会の中で人々は動物を飼うことをステータスとして生きています なので、ラストで主人公がヒキガエルを見つけるシーンは... 続きをみる

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  • トリフィド時代

    SFの古典です この作品が生まれるまでSF小説はウェルズの「宇宙戦争」とかヴェルヌの「海底二万哩」とか、どちらかというとまだ少年少女向けと言う見方がされていたようです ただ、この小説が発表されてから見方が大きく変わり、SFと言うジャンルが大人にとっても楽しめるものであることを浸透させたのです トリ... 続きをみる

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  • 新選組 手塚治虫

    手塚治虫氏の新選組昭和32年に発表された作品です 当時はまだ新選組が悪役だった頃らしく、あまり人気がでないまま途中で終わりにしてしまったそうです これは深草丘十郎、鎌切大作という二人の架空の人物が主人公 この二人が育む友情はなかなか爽やかで好感が持てます 漫画化の吾妻ひでお氏が昔手塚氏の絵を模写し... 続きをみる

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  • 死者の奢り・飼育

    大江健三郎を初めて読んだのは25歳を過ぎてからでした 何でその時まで読まなかったか?特に理由はありません ではどうしてその時読もうと思ったのか、今さら覚えておりません とにかく手に取ったのがこの本でした まず、表題作の一つである「死者の奢り」を読んで頭をぶん殴られました ガツンときました、本当に ... 続きをみる

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  • 激突!

    リチャード・マシスン 早川文庫NV マシスンの作品もSFに分類してもいいかと思いますが、やはりホラーのカテゴリーで、ロバート・ブロックなんかも同様に ただNVで刊行されているレイ・ブラッドベリなんかはSFに分類いたします 表題作はスピルバーグ監督のデビュー映画(TV放送用)で有名ですね 巨大なトレ... 続きをみる

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  • ねじまき少女

    帯は少し大げさw 帯を外して写真撮ろうとも思ったのですが、なんか、この大げさ感を残しておきたくてww 近未来のバンコクが舞台、世界各地の主要都市が水没している世界観でバンコクが水没していないことがまず驚きですw きっと、水没対策がなされていたのでしょうw 化石燃料が枯渇しているのでそれに代わるエネ... 続きをみる

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  • 戦慄の神像

    川田武氏の第二長編です 無名の新人が衆院選の奈良選挙区でトップ当選し、未開発地域の開発計画を発表するとまるで教祖のごとく信者が集まり始める なんとなく昨今でも聞いた話ですねw選挙で頓挫してしまったようですが これは伝奇SFで藤氏一族の謎に迫った作品です 大化の改新で後の天智天皇となる中大兄皇子と手... 続きをみる

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  • 冷血

    タイトルからトルーマン・カポーティの同作品を思い浮かべます ただ、カポーティの冷血はクラタ―一家殺害事件と言う実際にあった事件を描いたノンフィクションノベルであったのに対し、これはあくまでフィクションの小説です 同じような事件があってそれをモチーフにしたのかどうかもわかりませんがあくまで小説です ... 続きをみる

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  • ながい坂

    何かで読んだのですが半村良氏がなぜ時代小説を書くようになったのかを尋ねられ、SF作家同士で話してみたら、みんな山本周五郎とかすきなんだよ。ああいう文章書くの憧れるんだよ。と言っていたとか 確かに山本周五郎氏の文章は素晴らしいし、傑作も多い その中であえてこの作品 一人の下級武士が信念を持って一つの... 続きをみる

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  • 霊長類南へ

    私が筒井康隆氏の長編小説を初めて読んだのが「48億の妄想」 これはカメラ社会のマスコミ風刺の小説でしたが、素晴らしい出来で今なら映画に出来るのではないかとさえ思っています 次に読んだのが「俗物図鑑」これはもう何と言っていいか、完全に筒井ワールドを確立した作品として仕上がっています そして3番目に読... 続きをみる

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  • 銀河パトロール報告

    横田順彌氏の著作、おそらくは絶版でしょう 筒井康隆氏の作品の多くがドタバタ喜劇であるのに対し、横田氏は自分の作品をこう呼んでいます ハチャハチャ小説w もうパロディ満載ギャグ満載で大の大人が手に取って読んだらむしろ腹が立ってきそうな作品が詰め込まれています この本は二つのシリーズで構成されており、... 続きをみる

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  • 江戸の科学力

    これも資料としての意味合いも深い本なのですが、これは普通に読んでもただただ面白い 是非とも多くの人に読んでいただきたい一冊です 「からくり」啓蒙の人細川半蔵から始まり 玉川兄弟、青木昆陽、平賀源内とメジャーな方々が並んだあと 大坂の町人天文学者間重富 新帆布を考案して海運を発展させた工楽松右衛門 ... 続きをみる

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  • シナリオ戦国自衛隊

    半村良氏の小説もこのシナリオも読んだのは中学生の時 クラスにミリタリーオタクがいて、日ごろ小説など読まないのに、これだけは読んでいて話が合いました ただ、私は映画は当時見ていなくて、初めて見たのが京都に修学旅行に行ったときに、部屋のテレビで放送されていたのを見たのが初見でした その時は案外シナリオ... 続きをみる

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  • 悲劇のサラブレッド

    テンポイント、オペックホース、ヒカリデユール、ダスゲニー、シャダイソフィア、ミスターシービー、サザンフィーバー、シリウスシンボリ、サクラスターオー、ヤマニングローバル 以上の競走馬のエピソードが語られています やはり中でもサクラスターオー サクラスターオー 菊花賞 1987 故障明け、ぶっつけで臨... 続きをみる

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  • 両面宿儺

    和田誠氏の表紙イラスト 実は内容とはマッチしていませんw 表題作である「両面宿儺」というのは日本書紀に記されている化け物の事、本文中にもその引用があります 飛騨の国に一人の男がいて宿儺と言った。その人となりは体一つに二つの顔があり、それぞれの顔が反対を向いていた。頭の頂上で合わさっているからうなじ... 続きをみる

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  • 魔の牙

    西村寿行氏の作品もいろいろ読みましたが、これは何とも独特で生涯忘れないであろう作品です 南アルプス山中にある湯治場で、銀行強盗を追ってきた刑事、暴力団、女子大生、新婚夫婦などが恐怖の夜を過ごすことになる物語です それは狼 絶滅したはずの狼の群れに湯治場が取り囲まれてしまうのです その臨場感たるや、... 続きをみる

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  • コンクリート・アイランド

    以前「いさましいちびのトースター」を紹介した時に作者のトマス・M・ディッシュと並んで紹介したJ・G・バラード インナースペース(内的宇宙)ものを書かせたら天下一品。そしてディッシュと明らかに違うのが、どこかしらバカバカしさが伴うこと。同じ閉塞感や迷走感を与えるものの悲観的になりすぎない良さがありま... 続きをみる

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  • 美しい星

    かの三島由紀夫氏がSF小説を書いていたことをご存知でしょうか? この小説はある日、突然普通に暮らしていた家族が自分たちは宇宙から来たのだということを思い出すところから始まります まあ、内容は興味をもたれたら読んで楽しんでもらえればいいので、ここでは三島由紀夫氏と私の関係について書かせていただきます... 続きをみる

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  • 江戸切絵図

    資料第四弾 これは時代小説「湯船の姉弟」(講談社文庫)を書くときにお世話になりました 江戸市中、あちこちの場所が絵地図として描かれています 武家屋敷はその名前も表記され、資料としての価値はもとより、ただただ眺めているだけでも楽しいです 当時の江戸は世界一の人口を誇っていたそうで(2位がロンドン)こ... 続きをみる

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  • 連合赤軍「あさま山荘事件」の真実

    時代のせいと言ってしまえばそれまでですが… 昭和47年、私が5歳になる年ですか、とんでもない事件が起きました 連合赤軍の5人が宿泊施設に人質を取って立てこもりました もう、この時はテレビはずっとこの模様を放送していたそうです(さすがに私は記憶がないw) 今でも時折、昭和の事件を編集した特集でテレビ... 続きをみる

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  • 地球はプレイン・ヨーグルト

    梶尾真治氏の第一短編集です この形の本では今では売られていないでしょうが、様々な形で今読めると思うので絶版扱いはしませんでした 収録作品は 「フランケンシュタインの方程式」 「美亜へ贈る真珠」 「清太郎出初式」 「時空連続下半身」 「詩帆が去る夏」 「さびしい奇術師」 「地球はプレイン・ヨーグルト... 続きをみる

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  • 二次元の世界

    ブルーバックスで460円!大いに時代を感じさせる一冊です。ブルーバックスで小説が出版されることも稀なことだと思うのでレアはレアですなw これは全く人間が登場しないSF小説です。主人公は四角形w 古い小説なので偏見が入りますが、知性が少ない直線は女性、兵士は二等辺三角形、主人公の正方形は知識階級で、... 続きをみる

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  • 大江戸役人役職読本

    時代劇や時代小説を書く上での資料第三弾 これもかかせない資料です 前に江戸町奉行所を紹介しましたが、この本では江戸で働いていた役人たちのすべての仕事が掲載されています ちなみに三大奉行である寺社奉行、勘定奉行、町奉行は役方(文官)であり、たとえば戦が起きた時などは、戦中に赴くのではなく、治安維持や... 続きをみる

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  • 73光年の妖怪

    これは一時期絶版だったけれど、今は新訳で再刊されているのかな? フレドリック・ブラウンの地味な傑作です 映画にもなった漫画「寄生獣」はあれは地球が生み出したものでしたが、宇宙から来た未知なる生物が人間をのっとるという構図は、映画「ヒドゥン」に近いかもしれません ただし「遊星からの物体X」のように無... 続きをみる

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  • その女アレックス

    たまにはベストセラー本も これは確かに面白かった 何を書いてもネタバレになりそうなので内容には触れるのは厳しいのですが… ただし、あまり読後感はよくはない さらに、話の構造が、別のシリーズミステリーとあまりにも似ている まあ、そのようなことを差っ引いてもおつりがくるぐらい面白いですよ 未読の方は是... 続きをみる

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  • 破滅の日

    なんともいいカバーイラストw これは講談社文庫で出ていた海外SF傑作編というアンソロジーシリーズの一冊 収録されているのは、クラーク、ムーア、ハインライン、マティスン、コッペル、シェクリィ、ジャトコと豪華なメンツです まずはSF界の大御所アーサー・C・クラーク「太陽系最後の日」実はこれがクラークの... 続きをみる

  • 帰ってきた名作ゲーム

    任天堂初のアーケードゲームは、あのオセロゲームだったー本文参照 今読み返しても楽しい本です。ほぼフルカラーなのに1000円とお買い得感もありました 表紙にある通り78~87年までのアーケードゲームが紹介されています 当然オセロの次はスペースインベーダーが紹介され ヘッドオン(懐かしい) ギャラクシ... 続きをみる

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  • ストリート・キッズ

    奇才ドン・ウィンズロウのデビュー作 昨今の作風とは違い、幾分爽やかさすら感じさせる本作品 しかし、このころからウィンズロウは魅力的なおっさんを描くのが上手いw 主人公二―ルの良き相棒であるグレアムもいいのですが、何と言ってもニューヨーク支部長のレヴァインの存在感たるやw これはシリーズとして5作出... 続きをみる

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  • 74日本SFベスト集成

    今から41年前に発表されたSF作品のアンソロジー 筒井氏がこのスタイルでまとめたのは他に3冊ありますが、特にこの74年版は傑作が揃っています 自身の「佇む人」や半村良氏の「フィックス」豊田有恒氏の「渋滞」は今読んでも面白い 眉村卓氏「屋上」と星新一氏「有名」は他にもう少し傑作があったのではとw 小... 続きをみる

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  • 江戸町奉行所事典

    時代劇&時代小説を書く上で必須の資料第二段 特に時代劇の脚本を書く人はたいてい所有しているのではないでしょうか もうこれ一冊で町奉行はおろか、寺社奉行や勘定奉行の事まで丸わかりです イラストも多く、見やすい上に当時の牢獄や拷問、刑罰なども詳しく書かれており非常に役立つ本です 以前NHKの時代劇「オ... 続きをみる

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  • 星新一

    本を読む習慣がある方ならば、星新一の本は最低でも一回は読んだことがあるのではないでしょうか それほど偉大な作家であり、日本SFの草分けに大いに貢献した人です この本は電気にありがちなその人の人としてをいい面でも悪い面でも書いており、逆に星新一の熱烈ファンにはお勧めしにくい一冊です 1001話(もっ... 続きをみる

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  • アル中病棟

    吾妻ひでお氏によるノンフィクション漫画 失踪日記の第二段になります 完全に今では断酒しているせいか、失踪日記より線がしっかりとしており、そこは少し悲しい(なんでやw) しかし、恐ろしい所ですねこういう病院は、私は絶対に入りたくないのでなんとかど根性でアル中にはならないようにしますw しかし、こんな... 続きをみる

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  • 時代小説職業事典

    私は時代小説や時代劇の脚本を書くとき、だいたい手元に50冊ほどの資料となる書籍を用意しています 使えるものと使えないものを見極めるのは難しく、いろいろと役に立たないものも購入してしまいましたが、まあ、それらも楽しんで読めたのでよしとします 使える本上位ともいえるこの一冊は見事にわかりやすく江戸時代... 続きをみる

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  • 幕末新選組

    数年前にNHKで司馬遼太郎氏の「新選組血風録」のドラマ脚本を書かせていただきました 新選組はその理不尽さが好きです。寄せ集めの出自がロクでもない者たちが寄せ集まり、大義の旗を掲げた上で内ゲバを重ね、結果時代の変遷に乗り損ね滅亡する パッと咲いては散る桜、そんな魅力が人を引き付けるのでしょう この小... 続きをみる

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  • 怪奇大作戦

    これ一冊だけなのが惜しい! 全6話、うち3作はドラマ作品を一部脚色して描いたもので、残り3作は桑田氏のオリジナル 「人食い蛾」「殺人回路」「吸血地獄」はそれぞれ「蛾」「死を呼ぶ絵」「二つの顔の少女」と改題されている それにしても、この3つのチョイスは少し微妙w 特に、怪奇には向いていないのではない... 続きをみる

  • 悪徳学園

    平井和正氏の人気シリーズだったウルフガイ 「狼の紋章」では犬神明、「狼男だよ」からは神明というルポライターが主人公にかわり、アダルトウルフガイとか呼ばれていました その先駆けとなった短編がこの本の表題作 「狼の紋章」はかなり好きな作品ですが、この短編は短編でかなり完成されており、読みごたえはありま... 続きをみる

  • エド・マクべインの87分署シリーズにも「斧」というタイトルの話はありました。ある男性が地下室で背後から斧で後頭部をぶち割られ、殺害された死体が発見されるという話でした しかし、この小説はかなり乱暴かつ異質な小説です 主人公は再就職中 そのさなか、自分のライバルとなる元同業者を調べだし、次々と殺して... 続きをみる

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  • 神隠し

    昨今、「妖怪ウオッチ」というアニメが流行っているようで、いろんなことを妖怪の責任に転嫁することが、一部で問題視されているのだそうな でも、それは実は妖怪の使い方としてなんら間違ってないわけなのでw 小松和彦氏の著作は一時期はまって何作も読みました その上で言えることは妖怪は民俗学の中で生まれたもの... 続きをみる

  • ヒッチコックを読む

    これは大切な一冊 サスペンスの神様ヒッチコックの全仕事が収められています 思えばヒッチコック監督作品と私が出会ったのは高校生の頃でしょうか(それ以前もテレビで映画「鳥」とかを見ていたでしょうが、監督作品として認識はしていませんでした)裏窓、ハリーの災難、めまい、知りすぎていた男の4作品が日曜ロード... 続きをみる

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  • いさましいちびのトースター

    長崎訓子さんのこのカバー画、可愛らしくもスタイリッシュで好きですね これはSF作家トーマス・M・ディッシュが書いたSFメルヘン小説です 森の中にある小さな別荘で主人に置き去りにされた電化製品たちが、主を探す旅に出るという、ありそうでなかったストーリー 中には長崎氏の挿画もあり、電化製品の冒険の旅に... 続きをみる

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  • 数とコンピューター

    1971年刊行の学習科学まんがシリーズの一冊です 所謂数学というものは今と昔でそう大きく変わってはいません。なので今でも普通に読むことが出来ます 数字の起源などから始まり暮らしの中の幾何学 そして算数から数学へ そろばんからコンピューターへと 二進法でしか数え方がなかったオセアニアの島では、1はウ... 続きをみる

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  • 犯罪紳士録

    小沢信男氏の犯罪ノンフィクションは他に「犯罪専科」などもありますが、本書はタイトル通り巻末に犯罪者たちの紳士録がのせられています紳士録は明治時代の原田きぬからはじまり、昭和のオンライン詐欺事件の犯人(この本にはしっかりと名前が書かれておりますが、もうとっくに刑期を終えて出所しているはずなので伏せさ... 続きをみる

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  • 国盗り物語

    時代小説からは王道のこれをよく下剋上と言いますが、本当に主君を退け大名となった人は鍋島直定とこの本の主役である斉藤道三の二人ぐらいではないかと言われています岐阜県の方に以前お聞きしたのですが、道三はやはり地元では土岐家をのっとった悪人と今でも思われているそうです、ちなみに山口の人は大内を追いやった... 続きをみる

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  • 盗まれた街

    ハヤカワSFシリーズで0001を記録するジャック・フィニイの「盗まれた街」これ私が購入した初のSF小説の文庫でもあるのです中学1年の時でした。それまでは図書室で夏目漱石を読み漁っていた時、新しく同級生になった友人からSFと言うジャンルを薦められ、筒井康隆、星新一、小松左京などを読みながら、自発的に... 続きをみる

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  • どぐされ球団

    この漫画は月刊少年ジャンプに連載されていた作品で、同時期に「アストロ球団」という伝説的名作が連載されていたが、私はこちらの方が熱狂的に好きでした主人公の鳴海真介は甲子園のスターでエースで4番打者でしたが、打席で右手の人さし指が骨折しているのを隠して推定160メートルの大ファールを放ち、その衝撃で指... 続きをみる

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  • 終わりなき夜に生まれつく

    アガサ・クリスティからこの一冊これはポワロもミスマープルも出てこないミステリーそれでいて、過去、この作者が書いた二つの作品と、一つは構造が、もう一つはトリックが酷似している。しかし、そのようなことに目を瞑って読むとなかなか雰囲気溢れる名作なのです。そういえば、以前ツイッターで、バーコードのない文庫... 続きをみる

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  • 50億ドルの遺産

    山田正紀氏の名前を出したのであえてこの作品も筒井康隆氏は「気まぐれ讀書ノート」という本で50億ドルは流石に多すぎるのではないか(現実味がない)と書かれていたが、現実はだいぶ近づいてきたのでは?ただ、これを映像化する場合はその時代に合わせた方がいいか、やっぱりだとすると同じ作者で「裏切りの果実」の方... 続きをみる

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  • 石の血脈

    寄生獣やパトレイバーが実写化されるのなら今こそ半村良氏の作品も映像化されるべきではないでしょうか?石の血脈を映像で是非とも見てみたいまあ、半分は駄作に終わりそうで怖いですがw一緒に脚本作りをしたいという、ディレクター、プロデューサーを募集しますこういうのは他にもたくさんありますね山田正紀の「謀殺の... 続きをみる

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  • エイジ

    江口寿史の1985年のコミックですボクサーの息子が老トレーナーに導かれ、当初は嫌がっていたボクシングの道を歩むことになる青春ギャグ漫画であり、ラブストーリーの要素も多大に含んだ作品ですでもね、何と言ってこの漫画のすごいところは始まりが終わりと言うところなのですwたった一冊それも主人公がボクサーとし... 続きをみる

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  • 画像文明

    石原藤夫氏のSF小説は科学的根拠もたっぷりで、今でも時代を超えて読めるものが多いのだが、残念ながら、そのほとんどが絶版になっている。有名なのは惑星シリーズだが、ここでは6作の短編を収録した「画像文明」から一つをピックアップして紹介する。<以下ネタバレ注意>トム・ゴドウィンの不朽の名作に「冷たい方程... 続きをみる

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  • 少年宇宙人

    そうそう宣伝しておかないとこの本は原田昌樹さんという急逝された映画監督を様々な職でかかわった人たちへのインタビューを通して語られるというものすごい本です。将来、映像の職に就きたい人ならば、ウルトラ好きでなくても大いに役に立つとも思います。ちなみに私へのインタビューは「ブースカ!ブースカ!!」のコー... 続きをみる

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