川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

数とコンピューター


1971年刊行の学習科学まんがシリーズの一冊です
所謂数学というものは今と昔でそう大きく変わってはいません。なので今でも普通に読むことが出来ます
数字の起源などから始まり暮らしの中の幾何学
そして算数から数学へ
そろばんからコンピューターへと
二進法でしか数え方がなかったオセアニアの島では、1はウラパン、2はオコサと数え
3はオコサウラパン、4はオコサオコサ、5はオコサオコサウラパンと数えます
しかし、この二進法こそがコンピューターを構成する要素なのですよねw

大人になった今読み返してみると、わかりやすく面白いかなりな良書です
算数好きの息子に与えてみたところ楽しんで読んでいました
しかし、子供の頃からこの本を愛読していた私が何故理系に走らなかったのか
謎です(笑)

犯罪紳士録


小沢信男氏の犯罪ノンフィクションは他に「犯罪専科」などもありますが、本書はタイトル通り巻末に犯罪者たちの紳士録がのせられています
紳士録は明治時代の原田きぬからはじまり、昭和のオンライン詐欺事件の犯人(この本にはしっかりと名前が書かれておりますが、もうとっくに刑期を終えて出所しているはずなので伏せさせていただきます)まで60数人が紹介されています
中にはチ―37号、草加次郎、三億円の男など未解決事件の犯人も紹介されています
しかし、そちらはあくまで付録
メインのルポ10編、中でも、村落ー狂恋鬼熊事件、蒸発―女子高生籠の鳥事件、権力―競争社会弟殺しなどが読みごたえあり
犯罪を掘り下げていくと結局はその時代の世相や風潮が見え隠れし、昭和の時代、以下に駆け足で日本が進んできたかをうかがうことが出来ます

国盗り物語


時代小説からは王道のこれを
よく下剋上と言いますが、本当に主君を退け大名となった人は鍋島直定とこの本の主役である斉藤道三の二人ぐらいではないかと言われています
岐阜県の方に以前お聞きしたのですが、道三はやはり地元では土岐家をのっとった悪人と今でも思われているそうです、ちなみに山口の人は大内を追いやった陶春方はやはり悪者扱いでした
しかし、この本がでたおかげで道三の巷での評判は急上昇wそれぐらい魅力的な人物として描かれています。
これは司馬氏の創作力の力ならでは、子母澤寛の「新選組始末記」が出るまでただの悪人として描かれていた新選組の見方が変わったことに近い気がします。
ただし、これはあくまで司馬氏の創作
実際の道三の偉業は今では親子二代に渡ったものではないかとの説が有力で宮本昌孝氏がそれをモチーフとした「ふたり道三」と言う小説を発表しています
しかし、本作で描かれる道三はとても魅力的
時代をよむ目も確かなようで、信長との初対面のシーンなどはひしひし緊張が伝わってきます
ちょっと高価でしたが信長編と合わせて愛蔵版を購入しました