川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

街の灯


北村薫氏のいわゆるベッキーさん三部作の第一作
これは企画書までおこしましたが私の力不足でしょうか映像化に至りませんでした
昭和7年から始まり、11年の2月26日で終わるこの話
非常に映像化すると栄えると思うのですが
プチミステリーとしても楽しめますし
また、機会があればトライしてみようと思います
内容は、士族出身の上流家庭花村家、令嬢の英子の運転手としてやってきた別宮(べっく)みつ子
英子はその長身で颯爽とした女性をサッカレー「虚栄の市」のヒロインになぞらえベッキーさんと呼びます
この行動力と胆力のあるベッキーさんと、令嬢でのほほんとしながらも頭脳明晰な英子のコンビで、謎を解決するというミステリー
ただ、それを中心に脚色するとただの物語に終わってしまいます
これを原作として本当に素晴らしい映像作品とするならば、この時代背景をそして英子の士族としての立ち位置を理解し、この時代を描く
そのくらいのスケール感を持たないとドラマ化しても意味がないでしょう
三作目「鷺と雪」は直木賞を受賞しました
この最後のはかなさを、何とか映像にしてみたい
何かが崩れる音を、聞こえない音を脚色してみたい
三部作を読み終わった後、最初に思った感想です

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