川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
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両面宿儺


和田誠氏の表紙イラスト
実は内容とはマッチしていませんw
表題作である「両面宿儺」というのは日本書紀に記されている化け物の事、本文中にもその引用があります
飛騨の国に一人の男がいて宿儺と言った。その人となりは体一つに二つの顔があり、それぞれの顔が反対を向いていた。頭の頂上で合わさっているからうなじがなく、それぞれに手足がついていた。そこに膝はあるが、よぼろくぼ(膝の裏側の肉)はついていない。力が強く足が速かった。左右の腰には剣をはき、四つの手で弓矢をつかった。このため天皇の命令に従わず、人民を掠奪して楽しんだ。そこで(仁徳天皇は)和邇氏の祖にあたる難波根子の武振熊と言う人を遣わして、宿儺を誅殺させた。
この小説で少し残念なのは両面宿儺が蘇ったところで終わってしまうところ
これが半村作品で描かれていれば、ここから巡り巡るワールドが展開するであろうにw
私がウルトラマンティガ「よみがえる鬼神」で登場した宿那鬼もモデルはこの両面宿儺です
豊田有恒氏は日本史をSF的解釈で掘り下げた作品が多く、本書でも「白山江」などの傑作があります
さらにリリカルな一編である「渡り廊下」はなかなかの秀作で読む人の心を打ちます
ただ、現代ではその多くが絶版。今一度評価されてもいい作家の一人だと思います


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