川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
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柔らかい月

イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノの短編集
このハヤカワ文庫版は絶版だと思いますが、反リアリズム派の代表的作家なので、SFというカテゴリーではなくどこかで今も出版しているかと思います
表題作「柔らかい月」は月の一部が地球上に触手のように伸びてくる話
一瞬でなくなる物質文明を風刺をこめて描かれています
実は私は若い自分はこの作家の作品を全く評価していませんでした
内容が薄い
そう感じてしまっていたのです
しかし、年を重ねて改めて読むと、凝縮された作品の中に様々な意味が散らばれていることがわかります
総じてこの作者の本は大人のための寓話ともいえるかもしれません
これより先に出版された「レ・コスミコスケ」と合わせて読むことをお薦めします

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