川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

ツィス


ある日突然、一定のリズムである音が聞こえる
一人の女性がそう訴えるところから物語は始まります
そして、その耳障りな音が聞こえる人々が拡大し一大パニックに



タイムトラベル小説の金字塔と言われる「マイナス・ゼロ」の作者の第二長編です
これは割と現代でも同じようなことが起きるのじゃないかと案じさせる怖さがありますね
集団心理というのは恐ろしいものですから
こういうことで人間心理につけ込み、コントロールできたらと考えるとぞっとします
広瀬正氏は48歳という若さで亡くなっています。
先に紹介した「マイナス・ゼロ」やその続編の「エロス」密室探偵小説「T型フォード殺人事件」などの傑作があり、急逝が惜しまれた作家の一人でした
この作品は着地点が地味なので、あまり傑作として数えられることは少ないのですが、ページをめくらせる力量は流石で、じわじわと伝わってくる恐怖も言いようのないものがあります
今でも集英社文庫で再販しており、手に入れやすいので、機会があれば未読の方は是非読んでみてください
あ、もちろん「マイナス・ゼロ」もw
こちらは正真正銘、歴史に残る傑作ですので

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