川上英幸のブログ

脚本家川上英幸がゆるゆると書き残すブログです
主に野球、相撲、競馬、読書、映画関係

終わりなき夜に生まれつく


アガサ・クリスティからこの一冊
これはポワロもミスマープルも出てこないミステリー
それでいて、過去、この作者が書いた二つの作品と、一つは構造が、もう一つはトリックが酷似している。
しかし、そのようなことに目を瞑って読むとなかなか雰囲気溢れる名作なのです。
そういえば、以前ツイッターで、バーコードのない文庫本を古本屋で買って驚いたという若い人の書き込みがありました(笑)
そんなことを言ったら我が家にあるクリスティの本なんて一つもバーコードなんぞついておりません
生まれた時からバーコードがある世代なのですな
ほんの内容に戻ると、まずジプシーが丘なる地名や、その地にまつわる呪いとか、もう設定だけでぞくぞくするし、さらに重要なのはこの作品が「ぼく」という一人称で書かれていること
ゴシックロマンス的要素をはらんだ作品をクリスティは何作か書いていますが、これはその中でも一級品であり、作者の自作品ベスト10に入る作品だそうです

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